加賀製紙に関わる皆様には、長年にわたり変わらぬご愛顧いただき、心より感謝申し上げます。当社はおかげさまで、2025年9月13日に創業110年を迎えました。
当社は、加賀藩・前田家に仕え加賀八家に数えられた横山家が、1907(明治40)年に金沢市長土塀に立ち上げた金沢製紙が前身となります。その後、1915(大正4)年9月13日に製紙工場に必要な「豊富な地下水」、当時の主原料である「稲藁」、物流の拠点となる「路線・駅」を求め、現在の操業の地である西金沢に新たな工場を建設すると同時に、加賀製紙が設立されました。これまでの操業の歴史において、工場が全焼するという二度の大火を経験するなど様々な困難と向き合いましたが、ここ西金沢の地において、一世紀以上にわたり地域の皆さまをはじめ、当社に関わるたくさんの方々に支えられ今日に至ります。
紙は、「書く」・「描く」・「塗る」・「敷く」・「折る」・「貼る」・「巻く」・「包む」など、たくさんの機能性を有しています。そして、紙の持つやさしさ、温もりは人間の五感を通して感じ取ることができます。この紙がもつ機能性、感触は紙のもつ可能性だと考えます。そのような紙の持つ文化において、当社は黄板紙の生産からはじまり、チップ、裏白チップ、そして色板紙の生産へと進化しました。それは、環境とニーズが時代の変化と共に変わり、それに合わせ、当社も生産する品種を加え、不易流行の精神のもと変化し続けてまいりました。
その一方において、冒頭にお伝えしましたように様々な困難や、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災などによる経済危機という壁に直面しながら、ひとつひとつの壁を乗り越えてくることができましたが、2020年に発症した「新型コロナウイルス感染症」のパンデミックがもたらした社会の変化は、全世界に大きな影響を与え、当然ながらこの紙業界も、当社も大きな影響を受け、これまでの当り前であった考え方を根底から覆させられる環境に陥ることになりました。そして、社会が大きく変わったこのアフターコロナの新たな時代に、当社も時代に合わせて変わらなければ、時代に取り残されてしまいます。
そこで、この創業110年の節目とともに、新時代への挑戦として当社の変革を進めております。まずは、これまで当り前と考えていた生産設備、生産工程の改善、基幹・営業システムの再構築。そして、現場の仲間、事務所の仲間がより働きやすく、働き甲斐のある職場を求め、当社の旧態依然とした風土を改めた組織改革。また、なによりも、当社に関わっていただいている大事なお客様とのコミュニケーションの在り方、理想のあるべき姿の追求。この3つの歯車の嚙み合わせの最適化に向けて、変革を推し進めています。
これからも当社は「三方よし」、「一期一会」、「不易流行」の精神のもと、支えていただいている金沢というまち、関わるたくさんの皆様からのご期待に応えるために、二度と訪れはしない時の一瞬一瞬を大切にし、本質を守りながらも変化を続け、時代に相応しい新たな付加価値を提案し、ミライへ挑戦してまいります。この紙の文化が次の100年先の未来でも発展し続けるよう、社員ひとりひとりが、創業111年目の一歩一歩を着実に踏みしめて歩んでまいりますので、引き続きのご愛顧賜りますよう心よりお願い申し上げます。







